2021.9.24 From シンジョー『せせらぐように』

細くか細い雨が降っている、

小さな小さな生き物が息を潜めている、

ささやかな風が吹いている


まだ一日が始まるには早い少し薄暗い折、

人も人工物も無いひっそりとした山奥の小道に来ていた。


騒がしい群衆の時間と空間を抜け出し無音の景色に到達した、

と思っていたら

堰を切ったように駆け抜けるのは、

雨が道や木々を叩く音、

生き物の遠くまで遠くまで届く声、

風が体をハイスピードで横切る音。


おそらく、この世に無音の世界は無い。

そこに自然がある限り全てに音が、命が宿っている。


そんな些細なことを、当たり前のようなことを、

忘れないように、些末なことであると思わないように、

訴えかけてくれるものもまた、

命に宿る音そのものだと思う。

シンジョー

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